カサ・カルベ Casa Calvet

所在地:Casp,48

作品解説
一八九八〜九十九年建設。 バロック・スタイルのファサードという一見ガウディらしくない外観だが、ディテールではガウディの一風変わったデザインが見て取れる。巨大なドア・ノッカーはドアのスケールに合わせたものだし、トゥリビューンの下部のイボイボは水切りのためだし、同窓上部の鉄細工はカーテンのレースのようでもある、バルコニーに取りつけられたパームの飾りは伝統的なイースターでの宗教行事で使われ、バルコニーに飾られるものでこれを鉄で作っているだけだ。
ガウディはすでにこの当時自分の仕事場をサグラダ・ファミリアに移していたため、この工房で十分の一の石膏模型が作られ、一部は原寸まで拡大されて作られ、これが原寸の型見本となった。
ここでガウディがデザインした家具は最晩年のあの独特なデザインの最初の作品となっている。 一階はカルベ氏の経営する繊維工場の事務所にあてられていだが、ここのためにデザインされたテーブル、椅子、肱掛椅子、ベンチそして造りつけの家具など見るべきものがある。 この建物は一階にレストランがあるので一部内部は見られるが、その他の家具はグエル公園のガウディ記念館に移転、展示されているのでそちらで見るといいだろう。 特にベンチは座り心地がいいばかりか、どの角度から見てもひとつの彫刻作品として完成されている。 ガウディのデザインでの最大の特徴である機能性と審美的なものの共存が見られる。
バルセロナ市役所が出していた一九〇〇年度の建築年度賞を受けている。生前ガウディの作品では唯一、公に作品が優れていることを認められたものとなった。しかも皮肉にもこの受賞を決めた審査員の中の一人に、サグラダ・ファミリアの初代の建築家ビジャールが建築学校を代表して入っていた。建築家協会代表としては会長であり、ガウディのシンパであったエンリック・サグニエ(Enric Sagnier Villavecchia, 一八五八〜一九三一年)もいた。
現在ではレストラン・カサ・カルベとして一階部分がオープンされている。その名もレストラン・カサ・カルベ
http://www.casacalvet.es/

アクセス:地下鉄(L1, L4)Plaça Catalunya下車。徒歩五分。



トリビューン

Restarant Casa Calvet