バルセロナのカテドラル正面ファサード・コンペ Concurso de la fachada de la Catedral de Barcelona

所在地:Plaça de la Catedral

1882年製作
バルセロナのカテドラルはロマネス期の教会の上に1259年着工15世紀におおむね完成。ゴシック・スタイルで建設されている。しかも、ロマネスク教会堂以前には西ゴード教会、前キリスト教教会などがあったとされている。しかし、正面ファサードは19世紀に付け加えられたものである。1888年万博を目前に実業家マヌエル・ジローナ(Manuel Girona, 1817〜1905年)の発案で15世紀から中断していた工事を再開しファサードを完成させるためのコンペが1882年に行われた。コンペの結果は1408年にカルロス・ガルテス(Carles Galtés de Ruan/mestre Carlí, 1378〜1448年頃)の原案を踏襲したジョセップ・オリオール(Josep Oriol Mestres, 1846〜1924年)のアウグスト・フォント(August Font i Carreras, 1846〜1924年)案が入賞する。落選案のひとつには計画者がジョアン・マルトレイ、題字をドメネク・イ・モンタネル、ドラフトをアントニ・ガウディが担当したものがあった。当時ジョアン・マルトレイは社会的な地位もある建築家で、ドメネク・イ・モンタネルはガウディの建築学校の5年先輩に当たるが建築学校で教鞭を取り、万博景気に多くの仕事を抱えていた、ガウディはまだ建築らしいものも手掛けていない。しかし、この1年後マルトレイはドメネクにではなく、ガウディをサグラダ・ファミリア教会の建築家として推薦した。

マルトレイのカテドラル正面ファサード

コンペ開催時のバルセロナのカテドラル

完成後のカテドラル