コロニア・グエルの地下聖堂 Cripta de la Còlonia Güell

所在地:Santa Coloma de Cerevelló
1908〜1915年

作品解説
一九〇八年〜十五年建設。グエルの父親が創業した綿工場が手狭になったため、市の近郊のサンタ・コロマ・デ・セルベジョにこれを移転した(一八九一年三月)。 ここに工場をはじめ労働者住宅、学校、カジノ、教会をつくり産業コロニーの建設が始まった。 移転の七年後、一八九八年にグエルはこの教会をガウディに依頼している。教会の起工式は一九〇八年十月四日。 その十年間ガウディ自身は「立体静力学」と呼んでいた、あのカテナリー模型を使っての建築の冒険を重ねていた。紐と錘袋を使って荷重の分布と造形の研究をしていだのだ。 この模型はスペイン戦争まで残っていた教会横の小屋の中で作られていたが、最近その小屋の基礎が発見された。この小屋には鏡を利用し模型はあらゆる角度から検討できるような装置が考えられていた。
その後の工事も遅々として進まなかった。その最大の理由は現場には一九一一年ガウディがマルタ熱にかかってピレネー山脈の麓のプーチセルダに療養に行くまでは、左官の棟梁は一人、そのアシスタントも最高で九人しかいなかったという事であろう。それでも翌年の病後はこの数を増やし三人までにしたと記録されているが、ほとんどガウディの手作りの作業であった。一九〇六年にはグエルの死、一九一四年の助手でこの工事の担当者でもあったベレンゲールの死に、経済不況も手伝って完成したのは、わずかに地下聖堂だけだった。 
その地下聖堂は四本の玄武岩の柱が中央に並べられ、ヴォールト、スラブはレンガの化粧積み、現在見られるステンド・グラスもガウディは色合いを見るための見本としてガラスにペンキ仕上げだったのを最近ステンドに置きなおしたものだ。現在ではこの地下聖堂の屋上、つまり教会の一階床に出られるようになった。
サイト:http://www.elbaixllobregat.net/coloniaguell/index.asp?v_id_departament=B
アクセス:スペイン広場からFerrocarril de la GeneralitatでSanta Coloma下車。徒歩15分。
見学:12月25,26日、1月1日、6日、聖金曜日以外は毎日
5月〜10月平日10時〜19時、土日10時〜15時
11月〜4月平日10時〜17時、土日10時〜15時