ボデーガ・デ・ガラーフ Bodega de Garraf

所在地:Garraf, Sitges

作品解説
一八九五〜九十七年建設。 巨匠に謎はつきもの。 ガウディの直弟子でその没後最初にバイオグラフィーを出したラフォイスですら、ボデーガ・デ・ガラーフはベレンゲール(Franciasco Berenguer i Mestre, 1866-1914)の作とした。 確かにベレンゲールは、その死に際しガウディをして「片腕になってしまった」と嘆かせたほど、ガウディにとってもっとも身近な人であった。 しかし、多くのガウディの共同者そうであるように、ベレンゲール自身の作品にはこれといった秀作がない。 つまりそれは間違いなく、ガウディが直接デザインに参加したことの証しなのだ。 しかも、近年ガウディのサインの入ったサイト・プランが見つかっているので、ガウディが明らかに何らかの形で建設に参加したことが裏付けられた。
ガラーフの海岸一帯はグエイによって土地が買い取られ、この土地では、パラウ・グエイに使われたグレーの大理石の産出や、石灰石の産出、また一九三六年まではワインも作られていた。土地のせいで良質なワインではなかったようだが、ここで瓶詰めされキューバへと輸出されていた。ボデーガとはワインセラーを意味するが、そのための施設があったことから俗にこの呼び名が付けられているのだ。建物はボデーガと呼ばれているもののワイナリーは別棟であり、ガウディがデザインしたとされる建物は三層構成で、一階は車庫、二階は住居部分、三階の中央部分にはチャペルがある。ガラーフの村には宗教施設が無かったので、村の宗教施設としてたびたびこれは使われていた。現在、ボデーガであった部分はレストランとして使われている。
この村には若き頃のセルトの作品もあるが、今は改装に改装が加えられて見るすべも無い。
レストランGaudi Garraf Restaurant
http://www.gaudigarraf.com/
アクセス:Sants駅から近郊列車(Rodiales)でSitges行きGarraf下車(急行は止まらない)約30分下車後はバルセロナ方向に戻る位置にある。