ロレンツォ・デ・サン・ニコラス

Fray Lorenzo de San Nicolás
生:マドリッド/1593年 没:マドリッド/1679年
聖アウグスチノ修道会の僧侶であり17世紀に王室で高く評価された建築家。
その最大の原因は建築書を出版したことからきている。
父親も建築家で、後に聖アウグスチノ修道会の僧侶となったホアン・マルティン。3人の兄弟があったが子供の頃死んでしまい、母親にも死に分かれてしまう。セビージャへ移ったりしたが最終的にマドリッド修道院へ送られる。そこで父に倣い建築を学ぶ。1609年16歳でアウグステイノの修道院へ入るが、建築を同時に学んだ。1635年に僧侶となり、この頃から1656年頃まで建築を残している。しかし、ロレンツォ・デ・サン・ニコラスの最大の貢献は『建築における芸術と用途(Arte y Vso de Architectvra)』の出版であった。これは2巻に分けて出され、第1巻は1639年、第2巻は1665年で、あらゆる宗派の教会を設計する建築家からも好評を得た。この本のためにさまざまな名誉ある称号を与えられるのだが、全て受け取らなかった。
この建築書は自身が建築を学んだ時に優れた教本がない、という事から描き始められたもので、論理から、実務的な事まで網羅し、自身が設計した作品で使った新しいアイディアなどを説きながら書きあげられている。こういう意味では影響力の幅も広かったのだが、一方では平易な書き方を酷評されもした。1665年には増補改訂版が出されている。