サン・サルバドール・デ・バルディオス/San Salvador de Valdediós, Villaviciosa, Asturias
様式的な分類では若干順序が前後してしまいましたが、これもアストゥリア建築の例です。スタイルからはかなり晩年に建設されたもので、もうこれは実はロマネスクで、アストゥリアスの秀作の建築群に影響されてはいますが、ずっと後年になって作られているだろうと思われます。
第3期のアルフォンソIII世治世時の代表作はサン・サルバドール・デ・バルデデイオス(San Salvador de Valdediós)で、893年7人の司教の手に奉納されたが、うちひとりがモサラベであり、そのディティールのモサラベ化の理由とされている。
明快なバシリカの三身廊形式。交差廊が1ベイ張り出して、これを手がかりにどうやらポーティコが後年増築されたもよう。プレロマネスクの地方性、独自な解釈による空間構成、様式のない装飾などはもうこれには見られません。すでに最初のインターナショナル・スタイルであるロマネスクの普遍性が見られます。
中央の身廊は側廊に比べて一段と高くなっていて、もうスタイルとしては出来上がってきているという様子がよくわかりますね。
このバットレスも素敵です。これだけ高くプロポーションを作れば、付け柱、バットレスで横応力を抑えたいでしょうね。
このハート型なかなかいいですね。
すかし彫りの窓がどこも特徴ではあります。
アストゥリアス建築の伝統に従いトンネル・ヴォールトの身廊、彩色されていたようです。これはサントゥジャーの教会内部すべてが彩色されていたのと似ています。
同名の修道院が今もあって、これの庭にたたずんでいるという感じでしょうか。