レウスとタラゴナ/タラゴナとレウス

レウスはその県庁所在地タラゴナから10kmばかり、タラゴナの平原にあり、背後を小高い丘、前方を地中海に臨んだ位置を占め、当時はタラゴナ市を追い抜きカタルーニャ地方の商業の中心として俗にロンドン、パリ、レウスと言われていた。(無論これは大袈裟な言われ方であるが現在ではバイシュ・カンプ(Baix Campとこの一帯は呼ばれ、行政の中心であるタラゴナと競合し合っている。この凄まじさは、空港建設、新幹線駅誘致にも政治抗争として表面化して、空港は住民への騒音問題の配慮があるから理解できるとしても、新幹線駅が両都市の中間の何もない、両都市にとっても非常に足場の悪い場所に作られている。) 平原にはオリーブやアーモンドが実り、今日ではワインも醸造している。温暖な気候と柔らかな日差し、快い風は古代ローマ人からも愛され、タラゴナイベリア半島が4州に行政区画されていたのだがその一つタラコネンシスとして首都になっていた。そのため水道橋、円形劇場、サーカス、石切り場など多くの遺跡を一帯に残している。言ってみれば現在タラゴナが行政の中心として残っている由縁は実は2000年前の歴史を引きずっているということになる。これに対してレウスはコマーシャルの中心として、もちろんスケールは小さいが有名ブランドがバルセロナのコマーシャルの中心パセッジ・デ・グラシアと同じように建ち並んでいる。

現在のレウス。市役所前広場のガウディ・センターの屋上より。