エル・カプリチョ El Capricho

所在地:Barrio de Sobellano s/n Comillas

作品解説
一八八三〜八十五年。 ガウディと同級のカスカンテ(Cristóbal Cascante Colom, 1851-1889)は、ガウディと共通の師であるマルトレイのコミージャスの現場監理を引き受けて、すでに一八八一年、チャペルの建設の頃からコミージャスに住んでいだと考えられている。 遠距離にあるガヴディの作品のうちでも比較的密度の高いこの作品は、こういった共同者がいたことに負うところが大きい。 カスカンテとは学生時代シウタデーリャ公園でフォンセレの事務所で机を並べていた仲であった。 この別荘は十五x三十六メートルのプラン、一部半地下、一層に屋根裏部屋がつくという構成で、一角には塔が建ち、全体としてアラブ的な雰囲気をかもし出している。 外壁にはレリーフのついたセラミックが貼りつけられ、時代的なヒマワリがそのモチーフとして使われている。 もともと屋根は石綿スレート板で葺かれていたが、現在はスペイン瓦に置きかえられている。現在はそれ以外かなり原型に近い形で修復され一時日本企業に買い取られレストランEl Capricho de Gaudíとして使われていたが、現在は休業している。 この村には、ガウディだけではなく、師のマルトレイやドメネックの作品が残されている。
コミージャス候はキューバへ移民して富をなした人で、マルトレイにチャペル(一八七八〜一八八一年)の他、宮殿(一八七八〜一八八八年)、セミナー(一八八三〜一八九〇年)の設計をしているが、コミージャス候がグエルの義理の父親であったという関係からガウディにチャペル用にいくつかの家具のデザインを依頼した他、現存しないが庭に喫煙用のキオスク(一八八一年?)などを設計している。

Web:http://www.elcaprichodegaudi.com/